スローライフその1.読書に耽る(13)

 ちょっと前に森見登美彦さんの「四畳半神話大系」を読みました。
 森見さんのキョウダイワールドとでも呼べばいいのでしょうか、一連の京都大学とその周辺を舞台とした小説は、なんともいえないけだるさのなかに、ぷちっと面白みのある独特の世界を作っています。2007年の本屋大賞第2位となった「夜は短し歩けよ乙女」が有名ですが、同じキャラクターも数多く登場し、その独特の世界を広げています。このたび文庫化された「新釈走れメロス他四篇」も同じシリーズです。これは太宰治走れメロス芥川龍之介の藪の中などを元に、キョウダイワールドを展開しています。
 同じ京大の万城目学さんの作品とも近い雰囲気があります。両氏の作品とも学生時代に何度かいった京都の雰囲気が感じられ、ノスタルジックに感じます。