スローライフその1.読書に耽る

 アーリーリタイアメントのその後、やりたいことはたくさんありますが、そのうちの一つが読書です。なんだか面白みがなくて申し訳ない感じがしますが、山あいの鄙びた旅館の一室で川のせせらぎをバックに、または海沿いの喫茶店で波の音を聴きながら、読書に耽る。これぞスローライフ。現役を続けているうちは、なかなかできないことでしょう。
 特に読書家でもありませんが、小学校高学年のときから、集中して読むときが何年か続くと、ほとんど読まないときがまた数年間続くといった傾向があります。今は集中して読んでいるときですが、それでも平均して週に2冊くらいでしょうか。経済など仕事に関連したものも読みますし、趣味の本も多いのですが、もっとも多く読むのは小説です。
 今週はいまさらながら、吉川英治の「鳴門秘帖」を読みました。1926年に書かれたものですので、80年以上前の作品ということになりますが、そもそも時代小説ですので古さはまったく感じません。とても面白く読むことができました。倒幕を企む徳島藩の蜂須賀家の陰謀を暴くべく、阿波に乗り込む法月弦之丞とその仲間たちの活躍を描いたもので、隠密ものともいえますが、恋愛談あり、親子愛あり、ミステリーの要素も満載です。また敵役がこれまたたいへん魅力的で、最後まで面白く読むことができました。
 呼んでいる途中で、どこかで大きく書かれたこの本のタイトルを見たことがあるなと思いましたが、新横浜のラーメン博物館でした。映画化された鳴門秘帖の看板でしたが、あれはラーメンの具のナルトと掛けていたんですね。