運用に携わるひとたち

 投資信託を選ぶ方法として、年末に運用哲学について考えてきましたが、運用会社が運用哲学を実践するためには、組織や人がしっかりしていることが大切です。
 組織と人員を見るポイントとして、運用に携わる人たちにはどのような人たちがいるのかをみていきたいと思います。まず調査をする人たちです。これをアナリストといいます。株などの銘柄を選定するための分析になりますので、各企業の業種ごとに担当者がついているケースが多いようです。
 そして経済全体を分析する人たちがエコノミストです。その運用会社の景気や市場の見方を代表する者として、よくメディアにも登場します。そしてそれらの情報からファンドに組み入れる銘柄を選ぶ人たちが、ポートフォリオ・マネージャーです。この人たちが狭義のファンドマネージャーです。そして実際に証券会社に発注して、取引を行う人がトレーダーです。さらに発注のミドル部門、投資信託の「計理」を担当する部門、システム、コンプライアンスなど、多くの人たちが携わって、ようやく運用にこぎつけられます。
 これらの人たちが、投資対象とする地域にどのように配置されているかをみると、なんとなく分かってきます。徹底した銘柄の発掘、などといいながらアナリストの数が少ないとか、地域ごとに人材の偏りがあるとか、なんとなく不安な点があれば、そのファンドを選ぶのは考えものです。