新年のスローライフその1.読書に耽る(2)

 新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
 毎年気持ちが新たになり、日常生活には特段の変化がないにも関わらず、さわやかな感じがするお正月ですが、今年はちょっと憂いが混じっています。個人的に業務内容が変わったばかりで、新年早々に手をつけないといけないことが目白押しであることもありますが、やっぱり世界経済への不安がその理由ですね。
 お正月の読書として丸善で本を数冊買ってきました。連休は毎回のことですが、1月3日となった今もなお、ほとんど手がついていません。ちょっとだけ読んだもののなかに、昨年のベストセラーである竹森俊平さんの「資本主義は嫌いですか」がありました。経済学者フランク・ナイトを紹介している部分で、「リスク」と「不確実性」について整理していました。
 発生確率が予想できる危険がリスク、それが予想できない危険が不確実性ということです。このブログでも紹介してきた「リスク」は計算できるものですが、不確実性は計算できません。まさに今起きている金融市場の混乱こそが、この不確実性によるものといえるでしょう。私なりの理解では、不確実性による負の影響を受けた人たちは、不確実性による正の影響を受ける可能性も十分にあるということです。そういった意味でも、新たな年に望みを託したいと思います。
 さて今年はNHK大河ドラマ天地人」のほかに、スペシャルドラマとして「坂の上の雲」が始まります。3年に渡って放映される予定です。お正月の特番をごらんになった方もいらっしゃるのではないでしょうか。ドラマの原作はご存じのとおり、司馬遼太郎さんによる同名の小説です。文庫では全8巻。私はたいへん遅ればせながら、昨年読み終えました。
 中学生の時分、明治時代に生まれたかったと考えていました。大好きだった作家、星新一さんの「明治・父・アメリカ」を読んで、明治に生きる人たちの気概と前向きな姿勢に憧れたからです。坂の上の雲も同じように、明治に生きる人たちの熱い思いが感じられます。ドラマも今から楽しみです。あの時代に生きた坂の上の雲の主人公、秋山好古秋山真之からすると、今の時代などは天国のような平和な世界にしか見えないのでしょうね。